いまさら聞けない!!DSP、SSP
2017.04.01
驚異的な速さで進化を続けるアドテク業界、一時期、話題となったDSP、SSPは既に一般的なものとなり専門で取り扱う企業もかなりの数になっています。アドテクが進化するにつれて、DSP、SSPって一体なに?違いはどこ?などの基本的なことは他の人に聞きにくくなっているのではないでしょうか。そこで今回はいまさら聞けないDSPとSSPの違いや関係性について分かりやすくご紹介します。
1.DSPとは
DSPとは『Demand Side Platform』(デマンド・サイド・プラットフォーム)の略称で広告主の広告出稿効果の最適化のために用意されたプラットフォームになります。発祥はアメリカで、2008年に起きたリーマンショックでウォール街で働く金融取引システム担当のエンジニア達が一斉にネット広告業界へ転職し開発されたと言われています。日本では2011年にFreakOut(フリークアウト)という企業が初めて導入し話題になりました。アドテクの進化の中で広告主側は常に「より低い出稿金額でより高い売上を上げるには?」という方向で進んできました。ひと昔前は特定のメディア単位で期間指定の広告出稿しか出来なかったのが※アドネットワークの登場で複数メディアに対しコンテンツやユーザー単位で出稿できるようになり、課金形態も期間からクリックごと、広告表示(imp)ごとに課金というように多様化し広告効果も改善してきました。しかしアドネットワーク業者の増加や課金形態の拡大に伴い、より細い単位で広告出稿が可能になった半面、最適化と管理が困難になるという課題が生まれました。それを解決するために誕生したのがDSPです。DSPを使用すれば複数のアドネットワークから最適な広告枠の買い付けから配信までを自動で行い管理画面上で一元管理する事が可能になります。
※アドネットワーク
複数のメディアに共通したタグを埋め込むことにより連携するネットワークシステム
2.SSPとは
SSPとは『Supply Side Platform』(サプライ・サイド・プラットフォーム)の略称でDSPとは逆でメディア側の広告枠の売上最大化を目的に用意されたプラットフォームになります。上記でアドネットワークについて説明していますがSSPは一言でいうと複数のアドネットワークを束ねたものになります。なのでメディア側はSSPと連携することでより多くの広告主の案件にリーチ出来るようになります。またアドエクスチェンジと呼ばれるアドネッワーク同士で空き枠状況を共有するマーケットに連携でき広告枠の売上最大化に貢献するすることができます。
3.DSPとSSPの関係性
DSPとSSPは広告主側とメディア側のプラットフォームのため密接に連携しています。広告主とメディア側の売買はそれぞれのプラットフォームを用いてRTB(リアルタイムビッティング)と言われる手法で広告表示(imp)毎にオークションが行われています。ユーザーがメディアのページにアクセスした瞬間、ミリ秒単位という極めて短い時間に下記の工程を経て広告が表示されます。
(1)ユーザーがメディアのページへアクセス
(2)メディア側がimp情報をSSPへ送信
(3)SSPがメディア特性やユーザー情報をデータ化
(4)SSPがDSPにリクエストを送信
(5)DSPがリクエストを受信し案件の選別
(6)DSPが入札解析して勝者情報をSSPに返信
(7)SSPが複数DSPからの返信を解析、一番価格が高い広告リクエストを送信
(8)落札したDSPがクリエイティブ情報をSSPへ送信
(9)広告が表示
まとめ
いかがでしたでしょうか。少し難しい部分もあったかも知れませんが、DSPは広告主側の広告費用対効果を最適化するのためのプラットフォーム。SSPはメディア側の広告枠売上を最大化するためのプラットフォーム。ということだけ知っておけば大丈夫かと思います。恐らく今後はAIを活用したまったく新しいアドテクが次々と誕生すると予想されますので今のうちにアドテクの基本事項を確認しておくと良いかも知れません。